遠野班
3月
4

3.11に向けて 陸前高田市 上長部

3月1日からの3日間、私たち遠野組先発隊の4人は陸前高田市気仙沼町上長部にてスギの木の皮むきのボランティアに参加しました。私たちがお手伝いをした場所は海から約400~500mの所にあり、今回の東日本大震災の津波による影響でスギの木が海水に浸かってしまったほか、海岸付近にある魚の加工工場自体が流されたため冷凍してあったサンマや鮭・イクラのパックなど約8万トンにも及ぶ魚がこの地に大量に流されました。

NPO法人遠野まごころネットは4月の中旬頃からここの復興活動を始めたそうです。時期が春頃だったため、陸に流された魚が腐り始めたことと悪臭から虫が湧き、復興活動を始動した当時はとても大変だったと言います。瓦礫の撤去作業よりも先に魚を撤去することから始めたそうです。この魚の撤去作業は5月6日まで行われました。その後、瓦礫の撤去作業に移るも瓦礫の下にはまだまだ流された魚がたくさん残っていました。全ての撤去作業が完了したのが7月頃だったのだそうです。夏場の悪臭はさらに酷く、嘔吐する方も中にはいらっしゃったのだとか。このお話から震災当時の過酷さがひしひしと伝わってきます。

私達応援隊は、海水に浸かったスギの木の皮をむくことで木に虫が入り、腐るのを予防し木を再び使用できる状態に戻すというお手伝いをしました。そして再生したこの木で現地のおじちゃん達が製材所を作るという作業を今現在同時進行で行っています。2月21日から始まった三陸の復興を見つめる巡礼の旅・三閉伊ウォークでは、三陸沿岸約300キロを徒歩で進み、震災からちょうど一年となる3月11日に3隊長がここ上長部に向かいゴールを目指しています!それに備え急ピッチで作業を進めている最中です。 

3月11日完成予定の製材所 

製材所

一緒にボランティアをする方々は老若男女問わず、国籍問わずさまざまな方々と共に復興作業のお手伝いをしました。皆さん気さくな方ばかりで作業をしながらも少し会話をするだけですぐに打ち解け、作業場では話がついつい弾みます。お昼休みには毎日「おがさんの会」という地元の方達が汁物を作って下さったり、「ゆべし」や「がんづき」など地元の名物料理も振る舞って下さいました。3日のひな祭りには菱餅まで頂きました。私達はそのお礼にと毎回お賽銭をボックスの中に入れ、「おがさんの会」ではそのお金で食材を買ったりしているそうです。 

「おがさんの会」より頂いた菱餅 

菱餅

ボランティアを始めて3日目ですが、毎日さまざまな人との出会いがあり、ふれあえることが何より私自身を刺激し、新しい何かを得た気持ちがして凄く楽しいですし、私たちが皮むきをした木で製材所が作られていると思うととてもやりがいを感じます。またボランティアに参加されている皆さん、現地の方々共にとても心優しい方ばかりで、すれ違えば交わす気持ちの良い挨拶、ちょっとした心遣いがとても新鮮であたたかいです。私に出来ることはこのブログやtwitterを通じ、現地の「今」をお伝えすること。現地の方に少しでも恩返し出来るようこれからも精一杯頑張ります!

3月
3

ボランティア、はじめの一歩

遠野滞在4日目。この日からついに遠野まごころネットワークさんの元でボランティア活動を行うことになりました!遠野での記念すべき初ボランティアです!まごころネットワークが拠点にしている遠野市浄化センターに向かいました。

午前7時40分。浄化センターに着くとたくさんのボランティアの方がいました。はじめにラジオ体操を行いました。まごころネットワークでは朝、全員でラジオ体操を行うことから始まります。ラジオ体操をするのはとても久しぶりのことだったのでとても新鮮でした♪次に朝礼があり、その日の注意や連絡を行った後、それぞれのボランティアの行き先ごとに分かれてボランティアを行う準備をし、それぞれの現場へと向かいました。

僕達は1日目、陸前高田市の長部町に向かい杉の木の皮を剥ぐお手伝いをするボランティアに参加しました。この杉は津波によって枯れてしまった木で、これを利用して製材所を作られるそうです。僕は夏休みにあった1回目の被災地に学ぶプロジェクトを参加した際にもボランティアを行ったのですが、その時は心のケアのボランティアであったこともあり、力作業のようなハード面のボランティアをするのが初めてだったのでとても楽しみでした。

現場に着くと現地の大工さん達が作業していました。まず2つのグループに分かれた後、この日のエリアリーダーであったニューヨーク出身のピーターさんに作業の説明と注意を受け、作業を開始しました皮を剥ぐ道具は鉈とかんなを使い、グループごとに木の皮を剥いでいきました。

作業中の様子です。 

 【木の皮を剥ぐ作業①】木の皮を剥ぐ作業①

 

 【木の皮を剥ぐ作業②】木の皮を剥ぐ作業②

木の皮を剥ぐのが初めてということもあり、はじめはなかなかうまく剥がせませんでした。でもコツを掴んでくるとスイスイと剥げるようになり、作業が楽しくなっていきました。木の中には皮が剥ぎにくいものがあったり、木の節を取り除かなければならないものがあったので苦労しました。作業をしていくうちに少しずつ他のボランティアの人と話すようになり、いろんな話をしたり聞けたり出来ました。ボランティアの人達はみなさん出身地はバラバラ。滋賀、札幌、東京、千葉、ポルトガル、フランス、アイルランド・・・などなど。年齢や職業もバラバラ。学生、会社員、定年退職された方、元外交官のパワフルおばあちゃん・・・などなど。本当に老若男女いろんな人がいて本当にびっくりしました。もしこのボランティアに参加してなかったらこんな繋がりや接点が無かったのだと思うとボランティアと言うのはすごいものだなと思いました。

いろんな人に出会い、喋り、仲良くなる。これもボランティアの醍醐味なんだなと思いました。どのボランティアの人達も本当に気さくでたくさんコミュニケーションをとることが出来、すぐに仲良くなれました。とても嬉しかったです。ボランティアの人の中には上記でも挙げたように外国から来られている方もいました。日本語を分かる方や通訳の方もいましたが、いざ作業となると英語で会話しないといけない場面もあります。上手く自分の言いたいことを伝えられなかったこともあり悔しかったです。 ボランティアで英語の必要性を感じることになるとは…リベンジしたいです。

お昼の休憩時間。現地のおかあさん方が作ってくれた豚汁をいただきました。 

【昼食の豚汁】昼食の豚汁

美味しかったです!寒い土地では暖かい食べ物が体にも心にも染み渡ります。

 

そして岩手の伝統的なお菓子である「がんづき」と「ゆべし」をいただきました。 

【「がんづき」と「ゆべし」】「かんづき」と「ゆべし」

初めて食べたのですが、どの味も食べやすく美味しかったです!!昼食後、作業が始まるまで大工の方達とも会話したり、グランドゴルフをしたりしました。楽しかったです♪大工の方達も気さくで優しかったです。 

午後からも作業の続きを行い、その日のボランティアは終了しました。

最後に皆で集合写真を撮りました。 

 【ボランティアのみなさんと集合写真】ボランティアのみなさんと集合写真

とても有意義で楽しいボランティアになって本当に良かったと思いました。自分の行った作業が少しでも誰かの役に立ってくれるとうれしいです。遠野での初めてのボランティアを終えて思ったことは、ボランティアは仕事もコミュニケーションも自分から進んで行動することが大切だということです。自分から進んで何かをしようとすればそれだけ多くのものを得たり、学べたり、出会えるのだと思いました。そして謙虚な心をいつでも忘れないことも大切だなと思いました。これからもいろんなボランティアを行うと思いますが、今日が遠野でボランティアをはじめた第1歩。今日学んだり感じたことを忘れず最後まで頑張っていこうと思います!

 

3月
2

ボランティアを見つめなおして

遠野滞在3日目。 

この日の午前に遠野組先発チームの藤井・但馬・矢嶌・松葉の4人は遠野山・里・暮らしネットワークが活動している産業復興会館に行き、代表の菊地新一さんにご挨拶に伺いました。そこで普段遠野山・里・暮らしネットワークの活動内容やボランティアについてのお話を聞くことが出来ました。

 普段どのようなボランティア活動をされているのですか、とお尋ねしたところ瓦礫の撤去作業が8割以上を占めるとのことでした。ボランティアに初めて参加するボランティア初心者の方には地域のネットワーク作りに努めてもらったこともあるそうです。今回の地震の後、地域の方々が離れ離れになってしまった現状もあり、何とか地域のコミュニティーを復興させようとワークショップや足湯を行い、地域の方々が集まる機会を設け、そのお手伝いとして地域のネットワーク作りのボランティアにも取り組んできたのだとお話しくださいました。

 

写真1:EAST LOOPプロジェクト、ハートブローチブローチ 

(写真1説明:EAST LOOPプロジェクト ハートブローチ)また、「EAST LOOP」というブローチを津波の影響で仕事を失くした被災者の方が手編みで一つ一つ作り、販売するといった被災者の労働面における復興にも取り組んでいるそうです。主に震災前は魚の加工場で働いていた方で女性の方がほとんどだそうで、東北・関東で販売するほか京都や大阪の高島屋などの百貨店でも販売しているそうです。私も可愛さのあまり購入してしまいました。被災地の方々と、ハートでつながっていたいという意味を込めシンプルな2つのハートからなるニット製の手編みブローチ。

 

写真2:5種類のハートブローチ5種類のブローチ

 (写真2説明:右上からピンク、水色、赤色、黄色 他キミドリの計5色)カラーも5色展開でデザインが凄く可愛いと思いました。このブローチを作った生産者には商品本体価格の50%が直接届くようになっています。被災された方々が一刻も早く職に就き、経済的に復興できる何かのきっかけになればとこのプロジェクトは立ち上がりました。菊池さんは東日本大震災からもうすぐ1年を経とうとしている今、被災地の状況は日を追うごとに変化してきていると言います。被災地に物資を送っていただくよりかはこのハートのブローチを買っていただいたほうがよっぽど良いボランティアになると語っていました。このお話を聞き、単にボランティアといっても様々な形のボランティアがあるのだと実感しました。被災地の状況が変われば、支援する方法も当然変わるのです。だから常に被災地の今を知ることは凄く大切なことだと実感しました。

 

最後に菊池さんの願いはとにかく被災地に来てほしい。現地に来て何もしなくていい、ただ来てくれるだけで立派なボランティアなのだと。忘れられるのが一番辛いのだと。とにかく被災地に足を運んでいただいて、そしてそこで見た光景を忘れないでいただきたい。それが一番伝えたいことだとおっしゃっていました。 一人でも多くの方が被災地に足を運び、何かを感じることで今後の復興活動、また次の震災に向けての取り組み方に大きく影響するということを知りました。

またfacebookでもサイトを立ち上げており、facebookのEAST LOOPページでは、購入された方の応援メッセージ等も書いていただいております。購入者のお声が聞きたい方はfacebookのEAST LOOPのページをご覧ください。

facebookのEAST LOOPのページはこちらから→www.facebook.com/EASTLOOP

2月
29

陸前高田市と釜石市を視察

遠野市から陸前高田市へ向かいました。もともと市街地があった場所に着くと、周りには瓦礫の山と少しの建物以外何もありませんでした。まず、陸前高田市の市役所を視察しました。市役所の建物の中には潰れた車が入り込んでいるなど、津波の爪痕はまだはっきりと残っていました。次に、駅を訪れました。ホームの形は残っているものの、駅舎は無く、線路も見当たらず、説明されなければ、駅だとはわからなかったです。

写真1:陸前高田駅のホーム。点字ブロックが雪の下に埋もれていました。雪に隠れたホーム

夏に南三陸町で体験したのと同じように津波の被害状況を目の当たりにして、呆然とし、言葉が出なかったです。また、もうすぐ震災から1年が経つのに復興が想像以上に進んでいないことに驚きました。瓦礫を一か所に集めることまではできるが、その大量の瓦礫を処分できなくて復興が進まず困っているらしいです。

 

その後、釜石市へ向かいました。釜石市に着くと、高台に上がり釜石湾を眺めました。この高台には、[GPS波浪計陸上局舎]や[津波防災監視装置中継所]などの装置があり、津波への対策は出来ていたのだと感じました。この湾には水深60メートルの地点に造った世界最大級の湾口防波堤があり、その防波堤のおかげで津波の到達時間を少し遅らせることができたらしいです。高台から見てわかるくらい、防波堤は津波によって破壊されていました。ここでも、津波の恐ろしさを実感しました。

写真2:釜石湾の湾口防波堤。一部破損していました。破壊された防波堤

続いて、釜石市の市街地も見て回りましたが、陸前高田市ほどの被害状態ではなく、すでに復旧しているお店などもありました。しかし、流されていなくても、『解体可』と外壁に書かれている建物が多くあり、ここもまだまだ復興が進んでいないのだということがわかりました。

瓦礫の受け入れ先を作ることや、復興するための一連の流れをハード面で整えることなど、さまざまな課題が見つけられました。

 

 

 

 

2月
29

大槌町の漁師さんに出会った日

2月28日。岩手県沿岸エクスカーション。とてもたくさんの事を感じた1日。お昼から行った大槌町の漁業協同組合。ここの地名は吉里吉里(きりきり)。なんだか可愛いでしょ。(*^_^*)素敵な漁師さんと可愛い鮭の稚魚がいる町。

ここに来るまで通ってきたのは、真っ白がどこまでも続く景色。唯一の高さのあるもといえば、雪にかぶった瓦礫の山。日々、復興がすすんでいるとはいえ、初めて被災地を訪れた私は、ただただ唖然…。

だけど、大槌町の漁場に待っていたのは、たくさんのドキドキとワクワク。新しいろ過装置に新しい番屋。そこまでの努力が言葉の1つ1つから伝わってくる。

<写真1>番屋をお借りして話し合い。津波が来た時のお話に息をのむ。エピソード

冷たい潮風を受けながら火を囲む本場の漁師さんのすがたにドキドキし。網目の細かさの違いに納得し。鮭の稚魚の多さにワクワクし…。見るもの聞くことすべてが新鮮で、何もかもが驚きと発見の連続(・o・)

<写真2>網とイカ漁の電球。近くで見ると結構大きい。

永松先生、桐山さん1日、運転ありがとうございました。そして、とてもとても親切に教えてくださった三浦さん黒澤さん、様々なお話をお聞かせ頂き本当にありがとうございました。また、この場を設定して下さった支援団体グッドネイバーズジャパンの古舘さんにもお礼申し上げます。今再びの吉里吉里へ。また会いたい人がいる。わかめがおいしい大槌の海。

いろんな衝撃にあふれる東北2日目、無事終了。