3月5日~7日 -現地から若者へのメッセージ
3月5日、6日は阿部農縁さんでお手伝いです!
阿部農縁さんは大正時代から受け継がれ、今は4代目の寺山佐智子さんが代表を務める歴史ある農家さんです。東日本大震災での風評被害から、代々受け継がれてきた畑を守ろうと頑張っている農家さんの1つです。
両日、なんと雪が積もり、雨が降っていました。大阪ではなかなか見られないほどの積雪で、外では作業ができないので屋内で活動しました。私は阿部農縁3代目にあたる阿部正子さんとご一緒させていただいて、出荷用の商品を容器に入れ、用意をする作業をさせていただきました。この2日間では福神漬け、大葉味噌、パリパリ大根などの出荷のための袋詰め、そして阿部農縁でお勤めの皆さんのお昼ご飯作りなどをお手伝いしました。
皆さん、とても明るく優しい方達で毎日が楽しく、震災後の被害にも負けずとても前向きに農業に励んでいらっしゃいます。農園で採れた野菜を使ったお昼ご飯はとても美味しいです!
そして3月7日は阿部農縁の寺山さんに勧められ、ある会合のモーニングセミナーに行かせていただきました。そのセミナーには様々な企業の方達が来られており、お話を伺える機会がたくさんありました。私たちの活動の趣旨を伝えると、皆さんは快く震災に関するお話をしていただきました。
―ある女性の方によるお話
東日本大震災後の昨年のある日、東京で電車に乗ると「福島第一原子力発電所の水素爆発の影響により、今年の東京は暗い」という掲示が目に入った。私達(福島県民)は東北電力の事業地域であり、東京電力の電力を一切受け取っておらず、関東地方のために電力を送ってきたようなものなのに「福島のせいだ」と言っているような書き方をされるなど、関東地方にまで風評被害を被るなんて……それに対して非常に怒りと憤りを感じた。しかし、だからといって今まで私達は原子力発電所を持つ地域の住民として、原発に関することを何も知ろうとしなかったし、「安全」について何もやろうとしなかった。だから悔しい…そういう意味でも、住民の私達にも責任があるんだ…。
今回の震災で、原発の問題に留まらず、日本の行政や地方自治体などの様々な危機管理体制や危機管理に関するシステムの姿が顕著になった。私達ではもうどうにもできないこともあるが、若い人なら今からでもできることがたくさんある。今回の震災で分かったことを、これからの日本を担う若い人たちに託したい。今までの日本のシステムは本当に良かったのか…を改めて考えてほしい。自分の生き方、考え方をしっかり持ち、ふらつかないように生きていってほしい(自分の利益や欲だけを追求するためにではなく…)。原子力発電のような近年人間が新しく作り出したものを、また新しくやり直していってほしい。
…と、目に涙を浮かばせながらおっしゃられていました。私達に懸命に思いを訴えかけているその姿と涙に、私も思わず涙ぐみました。
この貴重なお話を聞かせていただいて、改めて私達の年代がこれからの日本を創り上げるんだ、みんなを支えていくんだ、同じような被害は二度と繰り返さないようにすべきだと自覚できました。また、このような現地の方々の思いを真剣に受け止め、社会安全学部生としてもこの震災での教訓や現地の方のメッセージをできるだけ多くの方に伝え、知っていただきたいし、これからの自身の勉学や様々な活動にも反映させていきたいと思いました。
3月4日~まざっせプラザより~
私達は福島県須賀川市の阿部農縁さんでお世話になっています。
3月4日。須賀川市に隣接している郡山市で販売イベントに参加させていただきました。郡山駅前の大通りにあるまざっせプラザというところで、商品の販売の他にも、陶芸教室、キャンドル作りなどが行われていました。
≪写真1:イベントが行われたまざっせプラザ≫
そのため、イベントでは阿部農縁さんの他にも、福島県田村市の方や同じ須賀川市で野菜を育てておられる農園の方など、少しでも風評被害をなくし、復興に向かって活動している方々がいらっしゃいました。震災時のお話を伺うと取引先から契約を打ち切られたり、観光地の利用客数が激減したりと、風評被害がもたらす影響の大きさが伝わってきました。
その中でも、印象に残ったのは、果樹生産者に対する風評被害です。「果樹生産では観光での収益と商品として出荷することでの収益がある。そして、今回の震災でその両方が風評被害をうけている。」そういっていた農園の方の言葉です。私は今まで新聞やニュースなどで風評被害に関する情報が取り上げられているのを何度か見たことはありましたが、食品に関することが大半を占めていたように思います。しかし、今回お話を聞かせていただくなかで、食品だけではなく観光の面での影響も大きかったということを感じました。そういったメディアではあまり情報発信をされていないことをこれからの活動で伝えていきたいと思います!
≪写真2:阿部農縁さんで販売した商品≫
3月4日 まざっせアーケット
3月3日(土)の夜に無事に福島県須賀川市へ到着!
宿までの道のりをタクシーで移動中、運転手さんとお話ししました。
この活動の趣旨を伝え、大阪から来たと言うと、東日本大震災での被害やおすすめの観光地など丁寧に教えていただきました。短い時間でしたが、関西弁とはイントネーションが違う喋り方に初めてふれることができ、とても新鮮で楽しいひと時でした。
須賀川1日目は郡山市のまざっせプラザにて開催された
「まざっせアーケット」に参加させていただきました!
「まざっせ」とは、「混ざりましょう」という言葉だそうで、まざるとは、英語でJoin us!「ご一緒に!」という意味です。街中の賑わいを考え、語り合い、魅力を発信していくことを目的とした「まざっせKORIYAMA」!郡山のまちづくり拠点、人や情報の交流拠点となるようにと活発に活動を展開しており、これらの活動には昨年3月11日の東日本大震災の復興への願いも含まれています。
地震や津波などによる被害も大きいですが、福島第一原発の水素爆発による風評被害問題には多くの農家さん達も悩まれています。少しでも地域を元気にしよう!福島の魅力を改めて多くの方に知ってもらおう、広げよう!という気持ちが強く伝わってきました。
3月4日のイベントでは「行ってみよう!梅とさくらのみどころ」というテーマに、陶芸教室(三春町「安里窯」や福島県内の桜と梅の写真展、また、おいしいもの市ということで、農家さんたちの愛情のこもったお弁当やお漬物、野菜や特産物を販売しました。私達は阿部農縁さんの一員として販売のお手伝いをさせていただきました!もう3月だというのに所々に雪が残るほどの寒さでしたが、そんな寒さを吹き飛ばすほどのまざっせの参加者の皆さんの明るさに、こちらも元気をいただきとても楽しい時間を過ごしました!
お昼の休憩時には、阿部農縁さんの手作りのお弁当をいただきました!農園で栽培した野菜をふんだんに使った料理は最高で、ヤーコンの入ったコロッケは特におススメです。
販売中にはまざっせに参加している他の農園さんや市役所にお勤めの方ともお話でき、震災や農園に関する貴重なお話をしていただけましたが、やはり風評被害についての話題が主に取り上げられました。ある農園さんのお話では、「今はあちこちのメディアで風評被害についての話題が取り上げられている。しかし、これも時間が経つにつれて徐々に取り上げられる数が減り、人々の風評被害についての関心にも変化がみえてくるであろう。ただ、悪いイメージだけが取り残されたまま人々の記憶から薄れいくことだけは防ぎたい。」とおっしゃられていました。マスメディアの与える情報が情報受け取り側に与える影響の強さや人々のリスク認知がさまざまであることによる影響、自分は「安全」だと思っていても「危険」だと思っている相手にどのように「安全」を伝えるかによる影響などを改めて考えさせられました。
福島での活動初日ということもあり、福島の方々との交流も初めてで緊張していましたが、皆さんはとにかく明るく元気いっぱいで、何か質問させていただくととても丁寧に答えてくださる優しさにも触れることができました。この明るさと人情を持っている福島の方々なら、福島を守り抜き、必ず震災以前よりも素晴らしい生活を獲得してくれるだろうと感じることができたと同時に私も復興の力になるべく、まずはこのブログから福島県の魅力を発信していきたいと思いました。まざっせで出会えた皆さん、ありがとうございました!
さて、5日からはいよいよ阿部農縁さんでのお手伝いが始まります。
この日にお会いした阿部農縁3代目の方はとても親切な方で、これからの阿部農縁さんでの活動がとても楽しみです!









