甲京子の投稿一覧
3月
13

風評被害の深刻さ

3月13日、郡山市のビックパレットにて農産物の直売をされている方とお会いできる機会をいただけ、販売をお手伝いさせていただきました。少しの時間でしたが、仮設住宅にお住まいの方との交流ができました!
「郡山市の仮設住宅での直売」

そこで、仮設住宅で農産物を直売されている方に震災に関するお話を伺えました。

「東日本大震災が発生しましたが、私のところは、津波の被害や地震による大きな被害はそこまで受けませんでした。だから、非難されてきた方達の力になろうと思い、最初は「支援する」という気持ちで仮設住宅での直売を始めました。
そこに、福島第一原発の水素爆発により放射線の問題が出てきたんです。私の営むお店は特に農産物の質にこだわってよりよい品質の農産物を販売しており、また、質にこだわりを持ったお客様が買いに来てくださっていました。しかし、風評被害の影響によりお客様が大きく減り、それに伴い売上が大きく下落し経営が非常に厳しくなってきました。また、直売所に農産物を提供してくださっていた農家の方々も自然災害による被災や放射線問題、風評被害などにより農業を止められたり、縮小されたりと、店頭に並ぶ商品数さえも減少したり、どうしても以前のような品質の商品を提供できないこともありました。
また、震災直後では3、4か所の仮設住宅において直売していたのですが、日が経つにつれ徐々に街が復旧し、市街の巡回バスが利用できるようになりました。なので、仮設住宅にお住まいの方も商品の安さや種類の豊富さ、また、気分転換など精神的な安らぎなどを求めてバスを利用され、買い物などお出かけされることが多くなりました。これに伴って、仮設住宅での直売に足を運ぶお客様は徐々に減っていき、仮設住宅の直売での売り上げが下降していくと次々と直売されていた他の方達は撤退していかれました。私も徐々に拠点を減らしていったのですが、唯一まあまあ売り上げがあり、常連のお客様がいてくださる郡山市のビックパレットの仮設住宅での直売は今も続けています。
しかし、放射線問題による風評被害の影響によりお店自体の経営状況は非常に厳しく、大きな損害を被っています。また、東京電力による賠償金のシステムにも不満を感じており、これからの生活は不安でいっぱいです。
私はいつからか「支援する」という気持ちから「自分も被害者だ」と思うようになり、あの原発事故に対して非常に怒りを感じます。」
…と、お話してくださいました。

 

今回は風評被害に悩み、苦しんでいる直売所の方の率直な気持ちを伺えました。また直売のお手伝い中に、あるお客様が「この野菜は放射線のチェックは大丈夫なのですか?」と尋ねられている方もいらっしゃいました。それに対して、「検査済みですので大丈夫ですよ」と返答されていました。

 

私が関西にいるころは少なからず放射線に対して不安や心配はしていたので、消費者からの立場から、放射能を心配するお客様の気持ちはすごくわかります。しかし、福島県に来て、農業に携わるたくさんの方々の風評被害に関するお気持ちやお話を聞いて、両方の立場から放射線問題を考えた時、とても複雑な気持ちになりました。

風評被害とは消費者に不安を抱かせると同時に生産者の将来の生活をも左右させ、大変深刻な被害を生むものなのだと感じました。

3月
10

3月11日 農家民宿オープン! ―強さと生きる力

3月11日は阿部農縁の農家民宿がオープンする日です!

この日を迎えるために、3月9日、10日、東京大学生のボランティアさん達や寺山さんの娘さんも交えて私達は農園のお手伝いだけでなく民宿の改装のお手伝いもしました。特に民宿内の壁塗りは初めての体験で、とても印象に残っています!

壁塗りの様子

11日、農家民宿のオープン日では「民宿オープン内覧会」として、同じ農家仲間の森農園さんによるギター演奏や地元の方との餅つき大会、民宿でのカルタ大会などが催され、阿部農縁に関わる様々な世代、繋がりの方達とのふれあいがありました。皆さんとても楽しんでおられ、非常に盛り上がりました。

民宿でのふれあいふれ合い

また、14:46の東日本大震災発生時刻には参加者全員で黙とうし、亡くなった方々へのご冥福をお祈りしたと同時に今、生きていられていることへの感謝をしました。

 

寺山さんは震災発生当時、桃の摘蕾をしている中で被災されました。また福島第一原発の水素爆発による放射性物質などで不安な日々を送られ、一時は県外非難を考えられたらしいのですが放射線量が下がり、福島に踏みとどまることにしたらしいです。しかし、そこに風評被害という問題が寺山さんに突き付けられました。贈答用の桃から徐々に売れなくなり、売れ行きは震災前に比べて落ちたらしく、めげずに首都圏での復興イベントなどに出向いて直売を続けるも福島の桃だと知ると「検査済みですよ」と説明しても返す客がいたそう。「農産物を売り続けるために、ずっとこんな売り方をしなければいけないのか?福島という土地、農産物を理解する真のファンをじっくり作るためには、実際に福島にきていただいた方が良い」と、震災が発生した1年後にあたるこの日に農家民宿を始める決意をされたらしいです。「私達はここで生きている。思いを共存できる人と一緒に福島の自然・人・農業にふれあい、福島を楽しみたい。福島県に多くの人が来てこそ、本当の復興になるんだ。」と風評被害などの問題に負けず、むしろ跳ね返そうとしていらっしゃいます。

 

この日の寺山さんは1日中笑顔でいっぱいでした。阿部農縁を応援する地元の方、同じ農園仲間の方、様々なご縁で繋がった関東地方にお住まいの方や学生さんたち…たくさんの方に囲まれ、とても幸せそうでした。

ギター演奏においてギター演奏

まだ、私はたった1週間しか福島県に滞在していませんが、福島県の皆さんのたくさんの「強さ」を知りました。福島を愛し守り抜こうとする強さ、今まで人間が経験したことのなかった辛さや苦しみに立ち向かい跳ね返そうとする強さ、常に前向きに考え自分の人生をめいいっぱい楽しむ強さ。福島県の皆さんは自ら持っている様々な強さを味方に放射線問題、風評被害などに立ち向かっておられます。この様々な強さが今の福島の方々の生きる力となっているのだと考えます。このような福島県の方達と共に毎日過ごさせていただいてこちらも生きる力と元気をいただけ、同じ人間として学ぶこともたくさんあります。東北地方の復興を願い応援する全国の方にも是非福島を訪れ、生きる力を感じとっていただき、みんなで共に復興していけたら良いなと考えます。

 

3月
7

3月5日~7日 -現地から若者へのメッセージ

3月5日、6日は阿部農縁さんでお手伝いです!

阿部農縁さんは大正時代から受け継がれ、今は4代目の寺山佐智子さんが代表を務める歴史ある農家さんです。東日本大震災での風評被害から、代々受け継がれてきた畑を守ろうと頑張っている農家さんの1つです。 

積雪

両日、なんと雪が積もり、雨が降っていました。大阪ではなかなか見られないほどの積雪で、外では作業ができないので屋内で活動しました。私は阿部農縁3代目にあたる阿部正子さんとご一緒させていただいて、出荷用の商品を容器に入れ、用意をする作業をさせていただきました。この2日間では福神漬け、大葉味噌、パリパリ大根などの出荷のための袋詰め、そして阿部農縁でお勤めの皆さんのお昼ご飯作りなどをお手伝いしました。

袋詰めの作業

皆さん、とても明るく優しい方達で毎日が楽しく、震災後の被害にも負けずとても前向きに農業に励んでいらっしゃいます。農園で採れた野菜を使ったお昼ご飯はとても美味しいです!

 

 

そして3月7日は阿部農縁の寺山さんに勧められ、ある会合のモーニングセミナーに行かせていただきました。そのセミナーには様々な企業の方達が来られており、お話を伺える機会がたくさんありました。私たちの活動の趣旨を伝えると、皆さんは快く震災に関するお話をしていただきました。

 

―ある女性の方によるお話

東日本大震災後の昨年のある日、東京で電車に乗ると「福島第一原子力発電所の水素爆発の影響により、今年の東京は暗い」という掲示が目に入った。私達(福島県民)は東北電力の事業地域であり、東京電力の電力を一切受け取っておらず、関東地方のために電力を送ってきたようなものなのに「福島のせいだ」と言っているような書き方をされるなど、関東地方にまで風評被害を被るなんて……それに対して非常に怒りと憤りを感じた。しかし、だからといって今まで私達は原子力発電所を持つ地域の住民として、原発に関することを何も知ろうとしなかったし、「安全」について何もやろうとしなかった。だから悔しい…そういう意味でも、住民の私達にも責任があるんだ…。

今回の震災で、原発の問題に留まらず、日本の行政や地方自治体などの様々な危機管理体制や危機管理に関するシステムの姿が顕著になった。私達ではもうどうにもできないこともあるが、若い人なら今からでもできることがたくさんある。今回の震災で分かったことを、これからの日本を担う若い人たちに託したい。今までの日本のシステムは本当に良かったのか…を改めて考えてほしい。自分の生き方、考え方をしっかり持ち、ふらつかないように生きていってほしい(自分の利益や欲だけを追求するためにではなく…)。原子力発電のような近年人間が新しく作り出したものを、また新しくやり直していってほしい。

 

…と、目に涙を浮かばせながらおっしゃられていました。私達に懸命に思いを訴えかけているその姿と涙に、私も思わず涙ぐみました。

 

この貴重なお話を聞かせていただいて、改めて私達の年代がこれからの日本を創り上げるんだ、みんなを支えていくんだ、同じような被害は二度と繰り返さないようにすべきだと自覚できました。また、このような現地の方々の思いを真剣に受け止め、社会安全学部生としてもこの震災での教訓や現地の方のメッセージをできるだけ多くの方に伝え、知っていただきたいし、これからの自身の勉学や様々な活動にも反映させていきたいと思いました。

 

3月
4

3月4日  まざっせアーケット

3月3日(土)の夜に無事に福島県須賀川市へ到着!
宿までの道のりをタクシーで移動中、運転手さんとお話ししました。
この活動の趣旨を伝え、大阪から来たと言うと、東日本大震災での被害やおすすめの観光地など丁寧に教えていただきました。短い時間でしたが、関西弁とはイントネーションが違う喋り方に初めてふれることができ、とても新鮮で楽しいひと時でした。

須賀川1日目は郡山市のまざっせプラザにて開催された
「まざっせアーケット」に参加させていただきました!

「まざっせ」とは、「混ざりましょう」という言葉だそうで、まざるとは、英語でJoin us!「ご一緒に!」という意味です。街中の賑わいを考え、語り合い、魅力を発信していくことを目的とした「まざっせKORIYAMA」!郡山のまちづくり拠点、人や情報の交流拠点となるようにと活発に活動を展開しており、これらの活動には昨年3月11日の東日本大震災の復興への願いも含まれています。
地震や津波などによる被害も大きいですが、福島第一原発の水素爆発による風評被害問題には多くの農家さん達も悩まれています。少しでも地域を元気にしよう!福島の魅力を改めて多くの方に知ってもらおう、広げよう!という気持ちが強く伝わってきました。

3月4日のイベントでは「行ってみよう!梅とさくらのみどころ」というテーマに、陶芸教室(三春町「安里窯」や福島県内の桜と梅の写真展、また、おいしいもの市ということで、農家さんたちの愛情のこもったお弁当やお漬物、野菜や特産物を販売しました。私達は阿部農縁さんの一員として販売のお手伝いをさせていただきました!もう3月だというのに所々に雪が残るほどの寒さでしたが、そんな寒さを吹き飛ばすほどのまざっせの参加者の皆さんの明るさに、こちらも元気をいただきとても楽しい時間を過ごしました!

お昼の休憩時には、阿部農縁さんの手作りのお弁当をいただきました!農園で栽培した野菜をふんだんに使った料理は最高で、ヤーコンの入ったコロッケは特におススメです。

販売中にはまざっせに参加している他の農園さんや市役所にお勤めの方ともお話でき、震災や農園に関する貴重なお話をしていただけましたが、やはり風評被害についての話題が主に取り上げられました。ある農園さんのお話では、「今はあちこちのメディアで風評被害についての話題が取り上げられている。しかし、これも時間が経つにつれて徐々に取り上げられる数が減り、人々の風評被害についての関心にも変化がみえてくるであろう。ただ、悪いイメージだけが取り残されたまま人々の記憶から薄れいくことだけは防ぎたい。」とおっしゃられていました。マスメディアの与える情報が情報受け取り側に与える影響の強さや人々のリスク認知がさまざまであることによる影響、自分は「安全」だと思っていても「危険」だと思っている相手にどのように「安全」を伝えるかによる影響などを改めて考えさせられました。

福島での活動初日ということもあり、福島の方々との交流も初めてで緊張していましたが、皆さんはとにかく明るく元気いっぱいで、何か質問させていただくととても丁寧に答えてくださる優しさにも触れることができました。この明るさと人情を持っている福島の方々なら、福島を守り抜き、必ず震災以前よりも素晴らしい生活を獲得してくれるだろうと感じることができたと同時に私も復興の力になるべく、まずはこのブログから福島県の魅力を発信していきたいと思いました。まざっせで出会えた皆さん、ありがとうございました!

さて、5日からはいよいよ阿部農縁さんでのお手伝いが始まります。
この日にお会いした阿部農縁3代目の方はとても親切な方で、これからの阿部農縁さんでの活動がとても楽しみです!